大きな話題になったWindows 11の要件。以下の前回の連載記事で説明したように、当初Microsoftが、Intelであれば第8世代Core以降、AMDであればRyzen 2000シリーズ以降という要件があることについて、大きな声で伝えていなかったこともあり、ちょっとした混乱があった。
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だが、Microsoftがユーザーの不安を察したのか、Windows 11 Insider Previewのリリースに合わせて、このやや厳しめなCPUの要件を緩和してきた。具体的には、足切りの基準をIntel、AMDそれぞれ1世代前のCPUとなる第7世代Core、初代Ryzenに緩和すると明らかにしたのだ。そのほかの条件、TPMやセキュアブートなどの要件はこれまでと変わらず適用される。
【表】Windows 11のGA版におけるハードウェア要件 | |
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プロセッサ | 1GHz以上で2コア以上の64bit互換プロセッサまたはSoC(Intelなら第7世代Core以降、AMDなら初代Ryzen以降) |
メモリ | 4GB以上 |
ストレージ | 64GB以上 |
システムファームウェア | セキュアブート対応 |
TPM | TPM 2.0 |
ビデオカード | DirectX 12以上(WDDM 2.0に対応) |
ディスプレイ | 9型以上で8bitカラーの720pディスプレイ以上 |
この新しい要件はWindows 11がGA(General Availability、一般提供のこと)になった時に適用されるものだ。
Insider Previewに関しては、Devチャネルとベータチャネルを利用しているユーザーで、6月24日までに一度でもWindows Insiderに登録したことがあるMicrosoftアカウントや企業/学校アカウントには、CPUとTPMの要件は例外的に緩和される。
なお、この緩和はあくまでInsider Previewの間だけで、Release PreviewやGA以降は現在MicrosoftがWebサイトで公開している基準が適用される見通しだ。
米国時間6月24日の発表から、数日でこうした対策を打ってきたのは巨大企業であるMicrosoftにしてはとても速い動きで、それだけMicrosoftが予想していたよりも反応が大きく、やれるだけのことをやったということなのだろう。