国内ではひとまず緊急事態宣言が解除され、海外でも国と地域によっては徐々にロックダウンから平常に移行しつつあることが伝えられているが、この1年半ほどで、グローバルにビジネスを展開する企業の製品発表のイベントはほとんどオンラインに移行した。
オンラインでの発表イベントは、発表会を開催する現地まで出向かなくても済むという時間的なメリットがある半面、現地ですぐに実機を試せなかったり、詳しい情報が得られないなどの制約がある。ユーザーとしてはあまり影響がないという見方もあるが、伝えられる情報量が不十分だったり、偏っていたりして、以前に比べ、「買いかどうかが判断しにくくなった」という声も聞かれる。もちろん、そこには電気通信事業法改正によって、端末購入補助が抑制され、ユーザーが最新機種を買いにくくなったこと、あるいはユーザーが同一端末を継続利用する期間が延びていることなど、他の要因も関係しているようだが、市場全体の空気感としては新機種が発表されたものの、「さて、どうするかな」といったひと呼吸おくというか、迷いや躊躇をうかがわせる反応が多いように見受けられる。
そんな中、アップルは9月14日(日本時間9月15日)にiPhone 13シリーズ4機種を発表し、国内市場では9月24日から販売を開始した。
昨年はコロナ禍の影響で、iPhone 12シリーズの発表が10月にずれ込み、発売も10月と11月に分かれる形となったが、今年は例年通りのスケジュールで発表され、販売が開始されている。
ちなみに、iPhone 13シリーズを取り扱う携帯電話会社としては、既存のNTTドコモ、au、ソフトバンクに加え、今年4月からiPhoneの取り扱いを開始している楽天モバイルも販売する。詳しくは後述するが、楽天モバイルは取り扱い4社の中で、唯一、アップルと同額で端末を販売しており、iPhone商戦に並々ならぬ意気込みを感じさせる。