スマートフォンで電子書籍を楽しむ人が増えている。楽天リサーチの調査レポートによると、直近1年間で電子書籍を読んだと回答した20~60代のうち、「最もよく利用している端末」は60代を除いていずれもスマートフォンが最多(60代はタブレットが最多)、また男性は39.7%、女性に至っては47.4%と、スマートフォンがほかのデバイスを圧倒する結果となっている。
上の調査で選択肢として挙げられた端末(スマートフォン、タブレット、電子書籍リーダー、デスクトップPC、ノートPC、フィーチャーフォン)の中で、スマートフォンはとくに個人向けの色彩が強いデバイスであり、アクティブに使われている台数や普及台数も含めて考えると「最もよく利用している」という条件で上位につけるのは至極当然だが、「自宅」、「電車の中」などシチュエーションごとに利用端末を尋ねた結果でも、ほとんどの年代で他を圧倒しており、電子書籍はもはやスマートフォンでの閲覧抜きには語れない時代となっているのは間違いなさそうだ。
一方、インプレス総合研究所が発表した「電子書籍ビジネス調査報告書2015」を見ると、「有料の電子書籍利用者」と「無料電子書籍のみの利用者」の比率は、PCで回答したユーザーが13.5%/15.8%とほぼイーブンだったのに対して、スマートフォンで回答したユーザーは15.5%/24.0%と、無料のみの比率が著しく高いという結果が出ている。具体的なアプリとしては「comico」、「LINEマンガ」、「マンガボックス」、「少年ジャンプ+」が突出して多く、これらサービスがいずれも直近1~2年で立ち上がっていることからして、新しい波が訪れているのも明らかだ。
「comico(コミコ)」。NHN comicoが運営。2013年10月サービスイン。ページを左右にめくるのではなく縦スクロール式を採用している「LINEマンガ」。名前からも分かるようにLINEの連携サービスの1つ。2014年8月サービスイン。無料マンガではcomicoと同様の縦スクロール式を採用「マンガボックス」。DeNAが運営。2013年12月サービスイン。前2つと異なりこちらは左右にページをめくって読む仕組み今回はこれらを背景に、スマートフォンで電子書籍を快適に楽しむためのポイントについて紹介していこう。具体的には、スマートフォンを新規購入するにあたり電子書籍の閲覧を前提とするならばチェックしておきたい機能や仕様、また手元のスマートフォンで電子書籍を快適に読むためにチェックするべきTips、以上の2つについて詳しく見ていきたい。