スッキリ分かるWi-Fiルーター(ASUS編)
第6回
本連載では、ASUSのWi-Fiルーター「RT-AC67U」を使って、Wi-Fiルーターの活用方法を解説している。前回までで、RT-AC67Uをインターネット回線に接続し、スマホでWi-Fi接続するという基本的なことはできるようになった。
今回は、Wi-Fiのエリアを広げたい時に超絶便利な“メッシュネットワーク”を活用してみたいと思う。
今回は、ASUSのWi-Fiルーターを複数使って、メッシュネットワーク「AiMesh」でエリアを広げて見るちょっと広めの家に住んでいると、1台のWi-Fiルーターだけでは家全体をくまなくWi-Fiのエリアとするのは難しい。リビングでは快適だが、バスルームに行くと電波が弱くなったり、3階まで行くと通信が途切れたりしてしまう、といったように、家の中でイマイチ電波の入りが悪くなる場所がどうしても出てくる。
こういった場合、いくつか解決法があるが、その1つがメッシュネットワークを活用する手法だ。1台をメインルーターとしてネットに接続し、複数のメッシュネットワーク対応機器をノードとして接続してWi-Fiのエリアを広げていく。
2台使えば、単純に2倍の広さをエリア内とすることができる。メッシュネットワーク内では、常に電波のつながりやすい機器へ自動接続するので、スマホ側からWi-Fiの接続先を切り替える作業は不要だ。
ASUSのメッシュネットワーク機能は「AiMesh」と呼ばれ、同社のAiMesh対応ルーターであれば、異なるモデルであってもメッシュネットワークを構築できる点が大きな特徴だ。
たいていのメーカーでは、セット販売される同一モデルを使わないとメッシュネットワークを構築できないのだが、ASUSのAiMeshなら、たとえ現状1台のWi-Fiルーターのみで使っていても、将来ASUSのAiMesh対応ルーターを追加すれば、エリアを広げることができるというワケ。
あとから電波の届くエリアに不満が出たら、さらに追加で購入……と、順次アップグレードしていけるので、成り行き任せのプランでも柔軟に構築していけるという、お財布に優しいメリットがある。
1台目のWi-Fiルーターがネット回線に接続できていれば、その後のノード追加は実に簡単。スマートフォンの「ASUS Router」アプリから順次追加していくだけだ。SSIDを2.4GHzと5GHzを同一にすると、双方を混在させて自動的に空いている最適な周波数を使うようになる。もちろん周波数を明示的に分ける使い方にしても問題はない。
このメッシュネットワークのノード追加設定は数分かかるが、この設定の間、相互のルーターは1m以内程度に近づけておいて設定を行おう。一度設定してしまえば、電波の届く範囲内なら、離して設置して構わない。
まず、追加するノードはACアダプターのみ繋いで電源を入れる。まだWANには繋がっていないので、回線接続ランプは赤く光る1台目のRT-AC67UはをメインのWi-Fiルーターとしてすでにネット回線に接続済みの状態で、2台目を追加する設定を確認していこう。
設定アプリ「ASUS Router」で[各種機能]タブの[AiMesh]を選ぶ[開始]をタップ[検索]をタップ追加したいノードが検索され、表示されるのでタップする場所をリストから選択して、[はい]をタップノードの設定中。時間は数分かかる電波状況によっては設定に失敗することもある。なるべく機器を近づけて再度チャレンジしよう。完了画面が表示されれば完成。3台目以降があるなら、さらに同じ手順を続けようノードとして接続されると、このようなランプ表示になり、WANの赤ランプが消えるなお、ノード追加前には、最新ファームウェアへのアップデートが推奨されているのだが、これは古いルーターをAiMeshに対応させる意味合いが強いので、最初は省いてもいいかもしれない。何せ、アップデート作業には一度ネット回線に繋げなくてはならないので、けっこう面倒な作業になってしまう。アップデートせずにメッシュネットワークを構築できるなら、作業完了後にアップデートしたほうがラク[*1]だ。
トラブル発生時にはノード側を工場出荷時に戻して、再度追加する作業を行ってみて欲しい。RT-AC67Uを工場出荷時に戻すには、背面リセットボタンを5秒長押しすればいい。
[*1]……現在新品で販売中のASUSルーターはまず問題ないはずだが、何度もメッシュネットワークへの追加作業に失敗する場合は、面倒だが最新ファームウェアのアップデートを先にするようにしよう
メッシュネットワークとしてルーターを設定した後は、複数のノードをまとめて広い同一ネットワークとして活用できるようになる。スマホを持って家の中を移動すると、自動的に接続先が切り替わり、特に意識することなくエリア内を移動しながら快適にネットを利用できる。
ノード側の設置場所にはコンセントさえあればいいので、電波が切れない程度にノード同士を離しつつ、使いやすい場所に設置して活用しよう。
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1965年生まれ。明治大学文学部卒。カメラマン、アメリカ放浪生活、コンピューター雑誌編集者を経て、1995年からIT系フリーライターとして活動。写真編集、音楽制作、DTP、インターネット&ネットワーク活用、無線LAN、スマホ、デジタルガジェット系など、デジタル関連の書籍や雑誌、ウェブ媒体などに多数執筆。楽曲制作、旅行、建築鑑賞、無線、バイク、オープンカー好き。