米Microsoftは6月29日(現地時間)、「Windows 11」の「ユニバーサル プリント」に搭載される機能を発表した。プレビュー版「Windows 11」で一足先に体験できるほか、「Windows Server 2022」や今年後半にリリースされる「Windows 10 バージョン21H2」への搭載も進めていくという。
「ユニバーサル プリント」は、Microsoftが提供するクラウドベースの印刷インフラストラクチャー。ローカルネットワークのプリントサーバーで印刷ジョブやプリンターを管理する手間を省けるのはもちろん、「Windows 10 バージョン1903」以降であればわざわざ個別のプリンタードライバーを追加しなくても、「ユニバーサルプリントドライバー」一つですべてをまかなえる手軽さが売りだ。キヤノンを筆頭に、メーカーによる対応も進んでいる。
。たとえば、プリンターの追加や管理を行うインターフェイスがアップデートされ、すべてのユーザーに提供される。
「ユニバーサル プリント」に関しては、印刷ジョブにPINコードの入力を義務付ける機能を実装。セキュリティが強化されるほか、無駄な印刷を減らし、コピー用紙とトナーを節約するのにも役立つ。
印刷ジョブにPINコードの入力を義務付けまた、Windows 11では「PSA」(Print Support Application)のサポートが開始される。モバイル端末からプリンターやスキャナーを利用するための規格「Mopria」に準拠したドライバーが初めから組み込まれた状態で出荷されるため、「Mopria」認定を取得したプリンターとシームレスに連携できる。
さらに、プリンターメーカーが「Microsoft Store」でPSAアプリを提供していれば、それを用いてプリンターの独自機能を利用することも可能。商用のユニバーサルプリントサービスであれば、決済システムを組み込んだり、無償でプリントする代わりに透かしを追加するといった活用が考えられる。ホームユーザーにとっても有用で、購入したプリンターをPCに接続して専用のドライバーとユーティリティをセットアップするプロセスを大幅に簡略化できる。これまでWindowsが提供してきたクラシックなプリントUIに代わり、そのプリンターに最適化されたPSAがさまざまな機能を提供してくれるようになるだろう。
また、このシステムはセキュリティ上のメリットもある。PSAはシステムドライバーとしてではなく、一般的なユーザーコンテキストで実行される。UWPアプリとしてサンドボックス実行されることもあり、万が一ユーティリティにセキュリティ上の問題があっても影響を最小限に抑えられる。
そのほかにも、IPP(Internet Printing Protocol)のサポートを強化。Windows 11では「IPP over USB」を追加し、ハードウェアサポートをさらに拡充していくという。