3月10日に「Redmi Note 11」を国内発売するシャオミですが、同社東アジア担当ゼネラルマネージャー、スティーブン・ワン氏は同モデル販売に対してメディアへインタビューの中で、2022年に「日本全国4000以上の販売チャネルの拡大」と「海外に展開しているシャオミストアの日本での展開」との展望を語ってくれました。
まずはストアインストアなど小規模な展開から始めるかもしれませんが、SIMフリーの低価格スマートフォンで一定の存在感を示しているシャオミだけに、そろそろ専門店を出す時期に来ているのではないでしょうか。
香港在住の筆者は、暇があれば香港のシャオミストアに立ち寄ります。また、中国・深センに自由にでかけられたころも南山にあるフラッグシップストアをよく訪問していました。その理由は「何かしら新しいものがあるかも」という楽しい場所だからです。シャオミストアは香港でも繁華街にあり、きれいな店構えは一見するとアップルストアのように見えるかもしれません。しかしアップルストアと大きく異なる点があります。それは100円程度から買えるアクセサリなど、安価な製品が置いてあるのです。
つまりシャオミの店は「スマホを見に行く」というよりも、100円ショップに行く感覚に近いところがあります。1か月ぶりに訪問すると「タオルが売ってる」「乾電池の種類が増えた」みたいに、何かしら新しいものがあるので何度訪問しても飽きません。また安い雑貨だけではなく、コスパに優れた家電やスマートフォンも販売されています。それらの品質も悪くありません。
シャオミの店で最新のスマートフォンを触るのもいいのですが、ヘッドフォンやモバイルバッテリーなど他社のスマートフォンで使える周辺機器類も多数販売されています。また乾電池やボールペン、バッグなどはお土産代わりにもなります(しかも安い)。
日本でシャオミストアを展開するためには、シャオミのスマートフォンやタブレットだけではなく、それらと接続できる家電製品をそろえる必要があります。なぜなら、それによりシャオミのエコシステムをユーザーに体験してもらい、シャオミの製品を買ってもらったりファンになってもらう効果が期待できます。
今まで日本にシャオミストアを展開していなかったのは、エコシステムを構築できるだけの製品を投入していなかったからでしょう。しかし2022年、シャオミが現在売っている製品とこれから投入する製品群によって、ついに日本でもシャオミエコシステムを展開する日がやってきたというわけです。
とはいえ海外のシャオミストアではIoT製品だけではなく一般雑貨も多数販売されています。シャオミのスマートフォンを使っていなくても十分楽しめるお店なのです。
中でもかばん類は優れた製品が多く、しかも価格は安価です。筆者も自分用や友人用に何度も購入しているカジュアルデイパックは薄手の軽い素材でできており、価格は約600円(6000円ではありません)。カラーも豊富ですしアフターケアも手がかからないでしょうから、このバッグは日本でショップ展開するときにすぐにでも販売してほしいと思います。
精密ドライバーセットも便利な1品。これも筆者は日本に行くときにお土産としてよく買います。高級感ある金属のスリーブに入っており、USB Type-Cで充電できる電動タイプもあります。価格は2000円-4000円程度とこれまたリーズナブルではないでしょうか。
ソープディスペンサーもシャオミは販売しています。本体(カートリッジ1つつき)が2000円ちょっと、ソープカートリッジは3個で1000円程度。海外から通販でも買えるようですが、液体ソープは重量があるので送料が高めになってしまいます。ということでこれも日本でぜひ販売してほしいと個人的に思います。
「お店に来たから何か買いたい、でも買いたいものが見つからない、でもでも何か買って帰りたい」なんてときに、シャオミのボールペンはどうでしょうか。0.5ミリで黒は10本セット、カラーは5色セット(5本)。中国での販売価格はたったの180円です。これは筆者も深センのシャオミストア(中国では「小米之家」)に行くたびに、いつもついつい買ってしまうものです。
「こんな安いペンを買っても、どこのメーカーのものかわからないんじゃないの?」と思うかもしれませんが、しっかりとキャップのクリップ部分に「MI」のロゴが入っています。スマホマニアなら日常的に使うボールペンはこれにしたくなるのではないでしょうか。
さて雑貨類の紹介ばかりになってしまいましたが、IoT製品でぜひ日本に投入してほしいものがシャオミのTVです。シャオミがTVを出すことに違和感を覚える方もいるかもしれませんが、今や海外ではTVとはスマートTVのことを指します。
ここでシャオミが日本でTVを出すべきと考えられるのは、ドン・キホーテが売り出したチューナーレスTVが売れているからです。
若い世代を中心に、もはや地上波TVではなくオンラインのストリーミングサービスを視聴している人が増えています。シャオミのスマートTVには日本のチューナーは搭載されていませんから、インターネットTV(本来はスマートTVと呼ぶべきですが)として売り出せば人気になるのではないでしょうか。
中国以外で販売しているシャオミのスマートTVはAndroid TVなので、そのままアプリとして数々のストリーミングサービスの視聴も可能です。TVは価格とブランド競争が厳しい市場ですが、シャオミエコシステムの中の「大型ディスプレイ」として売り出していけば、一定の認知を得るかもしれません。
ちなみにこの写真の50型スマートTVは台湾で14199台湾ドル、約5万8000円です。日本ならマイナーメーカーの製品に近く、価格だけを見れば競争力は十分ありそうです。
この他にも日本にシャオミストアができるならばぜひ売ってほしいものは山のようにあるのですが、すべてを紹介していたらきりがありません。シャオミがどんなものを売っているかはシャオミ中国の全製品リストを見てもらうとして(中国語ですがなんとなくわかるでしょう)、日本に投入してほしい製品を自分でリストアップするのも面白いかもしれません。シャオミの日本法人に希望を伝える機会も作ってほしいものです。
シャオミ全製品リスト:https://www.mi.com/category/list