Appleの拡張現実開発ツールセット「ARKit」は、ここ数年の間に何度か大きなアップデートを受けており、最近では昨年のWWDCにてARKit 3で主要なARシーン合成ツールが追加された。2020年版iPad Proの正式リリースを目前に控え、Appleは3月24日、ARKitをバージョン3.5にアップデートし、タブレットのライダーセンサー機能を活用する機能を追加した。
ARKit 3.5では、ライダスキャナを使って空間の3Dマップを作成し、床、壁、天井、窓、ドア、座席を区別するための新しいシーンジオメトリAPIが追加された。スキャナは、最大5mの距離でオブジェクトの長さ、幅、奥行きを素早く測定することができ、ユーザーは、オブジェクトのオクルージョンに使用できるデジタルファクシミリを素早く作成することができるようになった。
たとえばオブジェクトの背後にデジタルオブジェクトが部分的にシーンに溶け込んで見えるようにする。「Instant AR」に対応しているため、ユーザーがタブレットを振り回したりするなどしてカメラに空間を感知させなくても、デジタルオブジェクトを自動的に空間内に配置することができる。
またAppleは、バージョン3.5でARKitのモーションキャプチャとピーポーオキュリュージョンを改善し、人の奥行きとモーションキャプチャの高さをより良く推定できるようになったと述べている。これまでのARKitは、iPhoneやiPadの2Dカメラを使った長さの測定において「十分」な性能を発揮していたが、ライダースキャナーを使うことでより正確な3軸測定が可能になり、コードを変更することなく、以前に開発したアプリに自動的に大きなメリットをもたらす。
ARKit 3.5は、Appleのサードパーティソフトウェア開発キットであるXcode 11.4の一部として、登録済み開発者向けに提供されている。Xcode 11.4は、iOSとiPadOS 13.4の最終バージョンが一般に公開された直後の3月24日にリリースされた。
【via VentureBeat】 @VentureBeat
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