それでは、実機を見ていこう。
側面本製品は、Atermの最上位モデル「Aterm WX6000HP」とよく似たデザインが採用されており、カラー(本製品がブラックでWX6000HPはシルバー)や背面のスイッチ、LANポートの構成、重量などが若干異なるものの、サイズは51.5×215×200mmで共通となっている。
外見は、比較的コンパクトなAtermシリーズとしては大型のモデルではあるが、アンテナが全て内蔵されている点は、NECプラットフォームズならではの美点だ。
内部のアンテナも、全て3直交となる「ワイドレンジアンテナPLUS」で、X軸Y軸Z軸の3方向を各アンテナがカバーしており、スマートフォンなどの向きによって電波の感度が変わるような現象を防ぐことができる。
長年アンテナ内蔵技術を突き詰めてきたAtermシリーズの1つの完成形と言ってもいいだろう。
正面背面機能的には、上位モデルとなるWX6000HPと比べ、Wi-Fiが4804Mbpsから2402Mbpsになり、WANポートの速度も10Gbpsから2.5Gbpsへと変更。CPUもクアッドコアからデュアルコアに変更されているが、機能によっては本製品の方が優れている部分もある。
Aterm WX3600HP | |
実売価格 | 1万3000円前後 |
CPU | デュアルコア |
メモリ | - |
Wi-Fiチップ(5GHz) | - |
Wi-Fi対応規格 | IEEE 802.11ax/ac/n/a/g/b |
バンド数 | 2 |
160MHz対応 | ○ |
最大速度(2.4GHz) | 1147Mbps |
最大速度(5GHz-1) | 2402Mbps |
最大速度(5GHz-2) | × |
チャネル(2.4GHz) | 1~13 |
チャネル(5GHz-1) | W52/W53/W56 |
チャネル(5GHz-2) | × |
新電波法(144ch) | ○ |
ストリーム数 | 4 |
アンテナ | 内蔵(8) |
WPA3 | ○ |
IPv6 | ○ |
DS-Lite | ○ |
MAP-E | ○ |
WAN | 2.5Gbps×1 |
LAN | 1Gbps×4 |
USB | × |
動作モード | RT/BR/CNV |
ファームウェア自動更新 | ○ |
本体サイズ | 51.5×215×200mm |
例えば、「ワイドレンジアンテナPLUS」の採用や中継機モードへの対応、既存Wi-Fiルーターから設定を引き継げる「Wi-Fi設定引越し」や「SSID内部分離機能」、新機能として夏以降の提供が予定されている「ホームネットワークリンク」への対応などが追加されている。
純粋なハードウェアスペックだけなら上位モデルに及ばないが、実質的な使い勝手を考えると、本製品の方が優れている部分もあるわけだ。
インターフェースは、LANポート×4(1Gbps)に加え、2.5GbpsのWANポート×1が搭載される。この2.5Gbpsポートは、標準では10Gbpsなどの回線に接続することが想定され、WANポートとして構成されているが、設定画面からLANポートに切り替えることも可能だ。
回線が1Gbpsの環境でも、NASやPCを2.5Gbpsでつなぐことができるので、LAN環境のスピードアップを考えている場合にも便利だろう。
一番下のWANポートが2.5Gbpsに対応する設定画面で2.5GbpsポートのWAN/LANの設定が切り替えられるこのほか、背面にはモード切り替え用のスイッチも搭載されており、CNVモードにすることで中継機や子機として本製品を利用することも可能だ。