• ブログ
  • 難易度の高い操作感覚が慣れると...
難易度の高い操作感覚が慣れるとヤミツキに!『SASA』

難易度の高い操作感覚が慣れるとヤミツキに!『SASA』

ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち

パッケージには、第1場面で主人公が携帯用フェイザーガンを撃ち、ヘリを破壊しているシーンが描かれています。裏面には、画面写真が1枚と簡単な説明が書かれていました。

 当時の懐かしい広告とゲーム画面で、国産PCの歴史とノスタルジーに浸れる連載コーナー。今回取り上げたのは、MSX用ソフトとしてアスキーから発売されていたゲーム『SASA』となります。

 1983年にMSX(1)の規格が発表されると、それに則ったMSXパソコンが市場へと流通し始めます。すると、移植ものではなくMSXオリジナルのタイトルを発売するソフトハウスも登場するわけですが、そのうちの1社であるアスキーが1984年に発売したのが『SASA』でした。ソフトを開発したのは、香港にあるソフトハウスのマスティール・ソフトウェアで、カナダやイギリスに留学していた面々が香港に戻り、ゲームソフト開発に乗り出したそうです。MSX MAGAZINE1984年5月号に、マスティール社への取材記事が載っているのですが、残念ながらアスキーがマスティール社とつながりを持ったきっかけなどは語られていませんでした。

当時、アスキーはさまざまなソフトを発売していましたが、それらを4ページにわたって紹介する広告も掲載していました。本作の他に、『テセウス』や『ボコスカウォーズ』といったタイトルがあるのも分かります。

難易度の高い操作感覚が慣れるとヤミツキに!『SASA』

 プレイヤーは、フェイザーガンの反動で後ろ向きに飛ぶ戦闘用ロボットのササ(パッケージ裏では、なぜかSASA)君を操作し、兵器庫へ侵入し、パワージェネレータを破壊し、さらに水中のエネルギーパックを回収し、そして最後に宇宙空間でのエイリアンとの戦闘を行うことになります。全4面で構成されていますが、最終面をクリアするとササ君が1人増えました。プレイ開始時には、難易度を“PLACTICE ONLY(練習モード)”、“NORMAL PLAY(ノーマルモード)”、“ARCADE LEVEL(アーケードモード)”の3段階から、そしてプレイ人数を1人または2人交互プレイから選択できます。

タイトル画面には、マスティール社の名前も見えます。難易度選択画面では、フルキーの1で練習、2でノーマル、3でアーケードが選べますが、4なら2人交替プレイでの練習……となりました。

 ササ君が装備するフェイザーガンは、1回のエネルギー補給で50発まで発射することができます。画面下中央にある10個の●がフェイザーガンのエネルギーを表していて、一度発射すると●の色が白から緑、赤、黄色、ピンクと変化していき、すべて黒になるとエネルギー切れで弾は撃てません。画面左下に表示されているカウンターはフェイザーガンのエネルギーを補給できる回数となっていて、これがなくなると補給不可能となり、あとはミスを待つのみ……。補給方法も各場面で異なるので、エネルギーを切らさないように戦わなければなりません。

第1場面は空中面です。上手に空中を漂いながら、右上にあるドアにフェイザーガンを撃ち込んで破壊すればクリアです。

 ルールはシンプルなのですが、実際にプレイしてみると実は非常に難しいのが分かります。フェイザーガンを発射すると無条件で反対方向へと移動してしまうので、それを考慮に入れてササ君の方向を決めなければなりません。しかし、そうはいっても敵は出現するし目的のオブジェクトは破壊しなければならないしと、最初のうちは頭がパニックになりまくりでした。慣れないうちはノーマルモードですら苦労しますので、まずは練習モードで操作感を身体に叩き込むのが良いでしょう。これなら第1場面に出現するヘリは1機のみでミサイルも撃ってこないし、第2場面では青い円盤が現れない、第3場面の水中では海底に触れてもミスにならず、第4場面なら周囲の壁に触れても大丈夫になります。この差はかなり大きいので、一周クリア出来るようになるまではプライドを捨てて練習モードをやりこむのがオススメです(笑)。

第2場面は歩いたり浮いたりしなければならないため、頭の切換が大変です。上段左右端にある、パワージェネレータを4つ破壊すれば次に進めます。

 各ステージですが、第1場面では空中が舞台なので、フェイザーガンを撃った方向と反対側にササ君が移動することになります。そのコツさえつかめれば、クリアは遠くないでしょう。第2場面では、ササ君が空中にいる時と地上にいる時では進む方向が逆になるため、思考を素早く切り換える必要があります。水中ステージとなる第3場面は浮力と反動、さらにはタコの攻撃に頭を使わなければなりません。タコを倒すのは簡単ですが、その後のエネルギーパック回収が難しいです。ここを越えた最後の第4場面では、次々と現れるエイリアンの宇宙船やモンスターとの戦いなのですが、これまで以上にササ君が高速で動くため操作の難易度も一気にアップ。フェイザーガンが撃ち放題だからといって、決して簡単ではありません。

第3場面は水中となりで、タコに食べられてしまったエネルギーパックを回収すべくタコを攻撃します。フェイザーガンの反動に加えて浮力も考慮しなければならないので、混乱必至です。

 実際にプレイすると、始めた当初は難しくてすぐにイヤになったのですが、プレイし続けてコツが分かると突然面白くなり、もっともっと! とハマってしまう作品でした。本作発売後、しばらくしてから移植作品としてファミリーコンピュータ向けに『アストロロボSASA』の名前でリリースされましたが、遊ぶのであればぜひオリジナルのMSX版でプレイしてほしいものです。

最後の第4場面では、ついに敵との対決に。フェイザーガンは無限に撃てるので、ササ君のコントロールのみに注意して敵を倒しましょう。プラクティスならば周囲の壁に当たっても問題無いですが、ノーマル以上になるとミスになるので、動きの速さも相まって非常に難しいです。

ボクたちが愛した、想い出のレトロゲームたち 連載一覧