Chromebookを一言で表現するならば、WebブラウザーのChromeを使うためのモバイルデバイスだ。Chrome OSという専用のOSを搭載し、最新版のChromeが快適に動作するように設計されている。10年前に米国で誕生した当時は、クラムシェル型のノートブックのみのラインアップだったが、最近ではキックスタンド付きのタブレット型やディスプレイが360度回転する2in1型など、バリエーションも増えてきた。基本的な設計がWindows用PCと大差ないので、メーカーとしてもWindows用に開発したデバイスを大きく変更せずに、製品化できる利点がある。
ChromebookがWindows PCと異なる点の一つは、キーボードのレイアウトだ。Chromebookにはファンクションキーの代わりに、Webブラウザーの[進む]や[戻る]、[更新]などの機能に該当するキーがある。例えば、Windows PCでは、EdgeやChromeを使う場合に、F5キーやCtrl+F5キーでページの[更新]などを行うが、Chromebookでは固有の更新キーを押下すれば簡単に実行できるのだ。また、Windows PCにはない「検索キー」が割り当てられている。Chromebook的には、「Everythingボタン」と呼ぶらしい。Webの検索はもちろんだが、ファイルやアプリも探し出せる。検索のGoogleが設計したキーボードらしい存在感がある。
ちなみに、日本語入力の操作はWindows PCよりもMacに近い。スペースバーの左右にある[英数]と[かな]キーで、日本語と英数文字を切り替える。最近では、マイクロソフトもSurfaceの一部モデルで、同様のキーレイアウトを採用しているが、Macも含めて今後の日本語キーボードは、この[英数]と[かな]キーが標準になっていくと考えられる。こうしたキーボードの細かい違いを除けば、ChromebookはWindows PCからも容易に乗り換えられるChrome専用デバイスと言える。