それでは実機を見ていこう。
本体は、サイズも色も、以前に本連載の『DS-Liteルーターを自前で! シングルボードコンピューター「NanoPi R2S」をOpenWrtで使う』で紹介した製品にそっくりだが、よく見ると、各種インターフェースの配置が違っている上、中身も全くの別物となっている。
メインのチップはMediaTekのMT7628N(シングルコア、580MHz)で、128MBのメモリを搭載している。ネットワーク関連は、Wi-Fiが最大300MbpsのIEEE 802.11n。有線は、ともに100BASE-TX対応となるWAN/LANの2ポートが搭載される。
側面背面スペックだけ見れば、かなり貧弱ではある。ただし、もともと本製品がUSB給電で動作するトラベルルーターであることを考えれば妥当なところだろう(より高性能なモデルもあるので、必要ならそちらを購入すればいい)。
最大の注目はソフトウェア部分で、本製品はGL.iNetが開発した独自の設定画面も搭載されているのだが、これに加えてオープンソースのルーター向けLinuxである「OpenWrt」も搭載されている。
このため、通常のトラベルルーターとして使う場合は、簡略化された設定画面(もちろん日本語にも対応)で、必要最低限の機能を簡単に設定することができる。
標準の設定画面しかし、裏側ではOpenWrtが動作しており、これを利用することで、自由度の高いWi-Fiルーターとして使えるようになる。
もちろん、本製品は技適取得済みで、国内での利用は問題ない。また、OpenWrtといえども、きちんと法的な規制への対応がなされており、Wi-Fiのカントリーコードを変更することなども、基本的にはできない仕様になっている。
OpenWrtの設定画面(Luci)全てが自由というわけではなく、きちんと国内仕様の中で自由度が保たれている点は評価したい。