PCゲーマーの永遠の悩み、それはパーツの交換タイミングです。特にFPSというジャンルを渡り歩く人にとってはスムーズなフレームレートを得るために設定も切り詰め、1フレームでも快適に動かせるようにしているはずです。
本記事では現状の最新ゲームの必要スペックを見ながら、次回の更新で大体必要となりそうなスペックを改めて見直してみましょう。
画面の見た目を追求した場合、FPSというゲームジャンルは青天井といってもいいほどにスペックを要求されます。昨今ではレイトレーシングも考慮した場合、強力なビデオカードも必要になり、更に予算も贅沢に必要になってきます。
特にゲームにおけるPCスペックで重要なのは「CPU/メモリ/GPU(ビデオカード)」です。
CPUは破片や銃弾といった物理演算以外にもビデオカードとの繋ぎなどに、メモリはPCで動くアプリケーションが余裕を持って動けるかどうかに関わり、ビデオカードは画面の見た目やフレームレート、ディスプレイの高FPS対応などゲームに一番影響を及ぼすパーツになります。高スペックなパーツを選べば単体で数十万することも普通で、CPUとビデオカードだけで20万を超えるというのも割とザラなのがハイスペックの世界です。
しかし逆をいえばスムーズに遊ぶだけを考慮すれば推奨スペックがあれば十分なのがPCゲームです。例えば2021年11月に発売したAAAゲームであれば『バトルフィールド 2042』ですが、
プロセッサー: AMD Ryzen 7 2700X, Intel Core i7 4790
メモリ: 16 GB RAM
グラフィック: AMD Radeon RX 6600 XT, Nvidia GeForce RTX 3060
となっています。
推奨CPUは2014年6月に発売したHaswell世代のCPUであり、現状発売されているCPUであればほぼ推奨スペックに達することができるでしょう。平均価格約1万円で安価な「Core i3 10105」でもCPU性能だけで言えば十分達することもできますが、コア数の影響によりビデオカードに対してボトルネックになる可能性は否定できません。ですが、色々なサイトで公開されているベンチマーク結果を見る限りでは、コスパはそこまで悪くはないのかなと見てはいます。
問題はビデオカードです。推奨スペックではどちらも現状では品薄なのもありますが、下位スペックで代替できない上、それなりに高価なパーツになってしまいます。そういう点では『バトルフィールド 2042』をプレイするためにPCを買い直す/組み直すのが前提であればそれなりに上位スペックが必要になるでしょう。
とはいえ『バトルフィールド 2042』じゃなくて「違うゲームが遊びたいんだよ」という方のためにも他のAAAゲームを見てみましょう。こちらも最新作である『BF』の双璧でもある、2020年11月に発売した『コール オブ デューティ ブラックオプス コールドウォー』です。
プロセッサー:Intel® Core i5-2500KまたはAMD Ryzen R5 1600Xプロセッサ
メモリ: 12 GB RAM
メモリ(レイトレ使用時): 16 GB RAM
グラフィック: NVIDIA® GeForce® GTX 970 / AMD Radeon R9 390
グラフィック(レイトレーシング/推奨):RTX 3070
『バトルフィールド 2042』ほどのスペックは要求されていませんが、CPU自体は2011年に発売された物で今となっては大体のCPUで余裕で置き換えることはできるでしょう。ビデオカードも現状スタンダートな大半のビデオカードで対応可能な程に要求スペックはそこまで高くありませんが、話題のレイトレーシングを求める場合はRTX 3070以上は必須です。
そして、レイトレーシングといえば『サイバーパンク 2077』や『ウォッチドッグス レギオン』も見てみましょう。
『サイバーパンク 2077』
プロセッサー:IIntel Core i7-4790 or AMD Ryzen 3 3200G
メモリ: 12 GB RAM
RAM(レイトレ使用時):16G
グラフィック:GTX 780 or Radeon RX 470
グラフィック(レイトレーシング/最低):RTX 2060
『ウォッチドッグス レギオン』
プロセッサー:Intel Core i7-4790 / AMD Ryzen 5 1600 3.2GHz
メモリ: 8 GB RAM
RAM(レイトレ使用時):16G
グラフィック:GPUNVIDIA GeForce GTX 970/GeForce GTX 1650
グラフィック(レイトレーシング/最低):RTX 2060
こちらも先ほどの2本を見た後であればそこまで変わりません。レイトレースを最大限に活用したい場合は推奨スペックでは若干力不足な感じはありますが、記事執筆中の現段階であれば『バトルフィールド 2042』の推奨スペックがあればほぼ現状のAAAゲームは満足にプレイできることになりますが、上記で挙げたゲームのレイトレーシングを考えない推奨スペックであればBTOでもそこまで労せず用意できるでしょう。
スムーズにプレイするだけであれば本記事で挙げたゲームのレベルでも飛びぬけたハイスペックは必要ではありません。4kで超画質でレイトレーシングでバリバリプレイしたいと言わなければ問題にはならないでしょう。
自分で組む場合でもビデオカードの在庫が問題になってきますが、2022年以降はマイニング需要も落ち着くであろうと筆者は見ていますので、買い替えるとすれば2022年度以降の3~4月頃がちょうどいいタイミングではないでしょうか。
筆者も『アイドルマスター スターリットシーズン』でレイトレーシングを実行した際にPCスペックの不足を感じたのでスペックの見直しは考えています。目標としては低遅延高FPSディスプレイの導入と一定の作業環境を目途にしてはいます。
とはいえ、筆者のPC用途はかなり特殊です。ゲームに加えて映像処理や画像処理が専門のAdobeアプリケーションがメインとなっているため、現在環境でもCPUにはXeonという特殊なCPUを利用しています。
普通の方にはそんなCPUは必要ではありませんが、今後のPC環境(Windows11)などを見据えると推奨ではある程度どのゲームでもメモリは16GBになっていますが、32GBあった方がマルチタスクを必須とする現代環境では安心できるのではないでしょうか(筆者は業務用アプリの安定化のため次回は128GBへの増量も考えています)。
推奨スペックを眺めて今後を見据えるのであればCPUは「Core i7-10700」以上もしくは同等、GPUはレイトレーシングの有無に関わらず「RTX3060 Ti」以上を用意すればAAAゲームに関しては何一つ問題はないでしょう。レイトレーシングを必要としないのであれば「GTX1660 SUPER」クラスにランクを下げてもいいですが、レイトレーシングの有無に関わらずビデオカードはある程度以上の性能があればゲーム環境では安心できます。
PCは長く使うことを想定して、一定以上の予算は想定すべきですし安易に組み替えるものではありません。パーツは消耗品ではありますが、用意の段階でしっかりと考えて購入すれば保証も加味して長く安定して使用できます。
OSの更新で要求されるスペックも更新されるということはベーススペックも上がるということで「Windows11」だけでなく、ゲームにかかるスペックも高くなっていくことは自明の理です。
まだまだ最新OSなので不安定な部分もかなり多いため、OSの乗り換えは急ぎではないですが、そのうち「Windows11」でなければゲームが起動しないという事も出てくるでしょう。マイクロソフトのゲームスペックの最新フラッグシップモデルとも言える、2021年11月に基本無料プレイのマルチプレイヤーが出た『Halo Infinite』は、現状推奨スペックが『バトルフィールド 2042』と同等レベルに重いゲームとなっています。
ですが、自分がやってみたいことが一番重要なことです。AAAゲームだけがゲームではありませんし、業務で使う場合は業務レベルに耐えるスペックは必須です。そのことも念頭に入れた上で次のPCスペックを考えるのが良いでしょう。
あなたのPCゲームライフに幸があることを願っています。
※UPDATE(2021/11/23 21:40):動作環境に一部誤りがありましたので修正し、再公開しました。コメント欄でのご指摘ありがとうございました。