それでは、実際の製品を見ていこう。外観は、先にも少し触れたように既存モデルであるAterm WF1200CRと非常によく似ているが、カラーがブラックに変更されている。よく見ると、LED周りの作り込みが若干変更されていたり、背面にも「CNV/BR/RT」の切り替えスイッチなどが追加されている。
側面背面底面スペックは、無線LANの基本機能こそ既存モデルと同等で、5GHz帯が最大867Mbps、2.4GHz帯が最大300Mbpsとなっているが、有線LANの通信速度は従来の100Mbpsから1Gbpsへと大幅に進化している。
光ファイバーを利用した10Gbpsのサービスも登場している時代だが、ようやく普及価格帯の無線LANルーターも有線1Gbpsが当たり前の時代になりそうだ。
機能面でも、実用性が大幅に向上している。背面に新たに追加されたスイッチからも分かる通り、本体の動作モードは標準で設定されている「RT」のルーターモードに加え、スイッチを「BR」にすることでルーター機能(およびDHCPサーバー機能など)をオフにしたアクセスポイントとして利用できる。「CNV」に切り替えると、無線LANの中継機および有線LANにしか対応しない機器を無線LANに接続するためのコンバーターとして利用できる。
この機能が追加されたことは、後々を考えると非常にうれしい。将来、より高性能な無線LANルーターを購入した場合でも、モードを切り替えれば中継機やコンバーターとして再利用できるわけだ。
見にくいが、背面に物理スイッチが追加され、動作モードを切り替え可能になった「Wi-Fi設定引越し」機能に対応した点も注目だ。この機能を利用することで、既存の無線LANルーターに設定されているSSIDや暗号キーをAterm WG1200CRへボタン操作で簡単に引き継ぐことができる。
すでに無線LANを利用している場合、無線LANルーターを交換すると、同時にスマートフォンやPC、テレビ、ゲーム機などの接続設定もやり直さなければならない場合があるが、既存設定を引き継げるこの機能のおかげで、こうした手間を省くことができる。
Aterm WF1200CRとの価格差が1500円前後であることを考えると、有線の1Gbps化だけでは、もしかすると安い方を選ぶ人もいるかもしれない。しかし、こうした機能までプラスされていることを考えると、文句ナシにこちらを選んだ方がメリットが大きいと言えるだろう。
Aterm WG1200CR | Aterm WF1200CR | |
実売価格 | 5200円 | 3640円 |
対応規格 | IEEE 802.11ac/n/a/g/b | ← |
対応チャネル | 2.4GHz(1-13ch)、W52(36/40/44/48)、W53(52/56/60/64)、W56(100/104/108/112/116/120/124/128/132/136/140) | |
対応バンド数 | 2 | ← |
通信速度(2.4GHz) | 300Mbps | ← |
通信速度(5GHz) | 867Mbps | ← |
ストリーム数 | 2 | ← |
アンテナ数 | 内蔵 | ← |
変調方式(最大速度時) | 64QAM | ← |
スマートコネクト | - | ← |
バンドステアリング | - | ← |
MU-MIMO | - | ← |
ビームフォーミング | ○ | ← |
アクセスポイントモード | ○ | ← |
中継機能 | ○ | × |
コンバーター | ○ | × |
設定引っ越し | ○ | × |
ペアレンタルコントロール | - | ← |
VPNサーバー | - | ← |
QoS | TVモード(WMM) | ← |
IPS | - | ← |
ゲスト | ○ | ← |
WAN | 1Gpbs×1 | 100Mbps×1 |
LAN | 1Gpbs×1 | 100Mbps×1 |
USB | - | ← |