10月発売のCanon XF605。個人的に大いに注目している。結論から言ってしまうと、今一番欲しいと思うカメラだ。今回、短期間の試用後だったが、大変に満足度の高いカメラに仕上がっていることが実感できた。
2021年現在、筆者が主戦場とする撮影現場でのカメラは、8~9割がハンドヘルドカメラ(業界愛称としてデジと呼ぶ。以下:デジ)になっている。筆者はテレビ番組の情報バラエティーロケや舞台記録・イベント配信が主たる撮影案件として請け負うことが多いのだが、オーダーの多くがHDデジでお願いしますということがほとんどだ。
また、テレビ機材、新規機材導入という側面では、行き詰まり感があり、現状4Kデジのデファクトスダンダートカメラはテレビ業界に存しないと言える。一方、今新たにデジを導入するならばHD使用も見越した上で、4Kデジという選択を行う必要がある。
そうした中で、XF605は4KそしてHDデジとしてもかなり魅力的な選択肢だ。今回はテレビカメラマンの視点で、XF605の各機能を評価検証した。
※記事中の60pや30pは特に記載が無い限り59.94pと29.97pを意味する。また4Kも3840×2160pix(QFHD)解像度を意味する。また試用機は2021年8月中旬現在の仕様である