なんて無駄に贅沢なことを!
1台のコンピューターにディスプレイを2台つなげるなんて──これまでマルチディスプレイを経験したことがなければ、そう思うかもしれません。しかし、ディスプレイが1台増えると、生産性がぐんと上昇し、文字通り、目の前に明るい未来が見えてきます。今日は、思い切って2台めのディスプレイをつないでみたあなたのために、その投資を最大限に活かす方法を7つお話しします。
メインに使用するディスプレイのことを、メインディスプレイまたはプライマリディスプレイと呼びます。Windowsならタスクバー、macOSならメニューバーのあるところ。設定がデフォルトのままならば、アプリケーションのウィンドウやダイアログボックスが開くところです。ログイン画面もメインディスプレイに現れます。
メインディスプレイは切り替えられます。ディスプレイをどこに置いたとか、どれを先につなげたかとかには関係ありません。メインディスプレイを指定するには、Windowsでは、[設定] を開いて、[システム] から [ディスプレイ] を選択し、メインにしたいディスプレイを選び、[これをメイン ディスプレイにする] と書いてあるボックスをチェックします。
macOSでは、アップルメニューから [システム環境設定] を開き、[ディスプレイ] をクリックし、[配置] タブを選択し、白いメニューバーを今のメインディスプレイから、変更後のメインディスプレイにドラッグするだけ。簡単でしょ?
でも、ディスプレイを2台も3台もつなげて、あちこちでアプリのウィンドウを開いていたら、頭がごちゃごちゃになりそうな気もしますが…いえ、心配はいりません。そんなマルチディスプレイユーザーのために、さまざまなアプリが世に送り出されています。macOS対応のMagnetはたったの120円ですが、開いているウィンドウの数に関係なく、すべてのウィンドウを、隣り合うウィンドウやディスプレイ画面の上下左右の端に合わせて移動、リサイズして、きれいに並べてくれます。
WindowsならDisplayFusionが最高。複数のディスプレイをまたいで、ウィンドウのサイズや配置を細かくコントロールできます。たとえば、画面の端に合わせてアプリのウィンドウをスナップできます。また、必要であれば、ディスプレイを指定して、そこで特定のアプリを立ち上げることだってできちゃいます。
実は、DisplayFusionの機能はこんなものではなく、隣のディスプレイまでタスクバーを延ばす、ディスプレイごとに背景を変えるなど、いろいろなことができます。DisplayFusionには基本的な機能だけを備えた無料版もありますが、これまでに説明したような機能をフルに活用したいなら、30ドル(約3210円)で有料版を購入するのがお勧めです。
WindowsとmacOSのどちらも、ディスプレイごとに違う背景を設定できます。Windowsでは、[設定] の [個人用設定] で [背景] を開き、好きな画像を右クリックして、設定先のディスプレイを指定します。macOSでは、[システム環境設定] を開いて、[デスクトップとスクリーンセーバ] から背景を選びます。
でも、せっかく、マルチディスプレイを使っているんだから、ディスプレイ2台(あるいは3台、4台?!)で1枚の壮大な絵になるような背景を作りたい!という方、macOSをお使いなら、その名も「Multi Monitor Wallpaper」というアプリを試して損はありません。背景にしたい画像を提供する(または、このアプリを使って探す)だけで、あとはアプリが、ディスプレイのサイズや位置に合わせて、画像を完璧に分割してくれます。アプリの価格は1200円ですが、無料の試用版もあります。
Windowsユーザーの皆さんは、先ほどお話ししたDisplayFusion(試用期間終了後は10ドル[約1070円]で買ってください)で、自分のマルチディスプレイ構成の幅と高さにあった画像を選択できます。また、DisplayFusionアプリほど美しい仕上がりにはなりませんが、Windowsには、もともと複数のディスプレイ全体に1枚の画像を広げて背景にする機能が用意されています。 [背景] ウィンドウの [調整方法を選ぶ] ドロップダウンリストから [スパン] を選んでみてください(やってみたいけど、適当な画像がないんだよ~という方はDual Monitor Backgroundsで探してみては?)。
仮想デスクトップは、WindowsやmacOSの中に作られたもう1つのディスプレイのようなもの。Windowsでは「デスクトップ」、macOSでは「操作スペース」と呼ばれ、必要な数だけ作っておいて、必要に応じて自由に切り替えられます。仮想デスクトップは、外付けディスプレイの代わりになりますが、外付けディスプレイと仮想デスクトップを同時に使うことも可能です。
仮想デスクトップを作るには、Windowsでは、検索ボックスのとなりにあるタスクビューボタンをクリックし、画面上部に出てくる [新しいデスクトップ] を選びます。新しいデスクトップは、作成してすぐ、単独で使えますから、たとえば、左側のディスプレイにデスクトップを3つ、右側のディスプレイに2つ作って、切り替えながら作業するなんてこともできます。
macOSでは、まず、アップルメニューから [システム環境設定] を開き、[Mission Control] を選びます。[ディスプレイごとに個別の操作スペース] が選択されていますね。これは、1つのディスプレイでフルスクリーンアプリを実行したときに、ほかのディスプレイが真っ暗になってしまうのを防ぐための設定です。その後、DockでMission Control のアイコンをクリックするか、または3本指で上にスワイプしてMission Controlを開き、右上隅の [+]アイコンをクリックすれば、新しい操作スペースを作成できます。
まったく同じ機種を2台並べて使っているのでもない限り、すべてのディスプレイの画面サイズや解像度が同じになることはないはずです(片方は縦型で、もう片方は横型なんてこともありえますし)。WindowsもmacOSもこの違いをきちんと自動調整してくれますが、ちょっと設定をいじるだけで、使い勝手がぐんと向上することがあります。
Windowsでは、スタートメニューの歯車アイコンをクリックして [設定] を開き、[システム]、[ディスプレイ] の順に選択します。設定を変更したいディスプレイを選択して、少し下のほうにある [解像度] と [向き]を調整します。ディスプレイによっては、文字サイズやアプリなどほかにも変更できるオプションがあります。
macOSでは、アップルメニューを開き、[システム環境設定] から [ディスプレイ] を選びます。ディスプレイそれぞれの [ディスプレイ] タブで、解像度(まず、[変更] をクリックしてくださいね)と回転を調節します。ディスプレイの機種によっては、画面のリフレッシュレートも変更できます。
外付けディスプレイの追加オプションは、意外にたくさんあります。テレビだって接続できます。たとえば、デバイスがHDMI ポートを内蔵していれば、そこにChromecastを差し込み、Google Chrome経由でMacやWindowsのデスクトップをそのまま表示(ミラーリング)できます。試してみたいという方は、Chromeのメニューから [キャスト] を選択し、次にChromecastデバイスを選択してから [ソース] をクリックし、ブラウザーのタブをキャスト(投映)するのか、デスクトップ全体をキャストするのか選択してください。
macOSユーザーで、Apple TVを持っているなら、AirPlayの魔法をかけて、macOSのデスクトップをミラーリング(または拡張)してみましょう。メニューバーのAirPlayボタンをクリックし、Apple TVを選択して、同じドロップダウンメニューから、Macの画面を複製して表示するだけなのか、接続先のテレビの画面を拡張デスクトップとして使うのかを決めます(こうすると、テレビにアプリのウィンドウをドラッグするなどいろいろな操作をできるようになります)。
サードパーティ製品、AirParrotも検討してみてください。このアプリはWindowsとmacOSの両方で使えて、Chromecast、Apple TV、WindowsやmacOSコンピューターなど、さまざまなデバイスに対応しています。お望みならば、デスクトップ全体ではなく、必要なメディアファイルだけをストリーミングすることも可能です。AirParrotは12.99ドル(約1391円)ですが、試しに無料で使ってみることもできます。
今年の後半、macOS Catalinaに搭載される新機能Sidecarを使うと、iPadを2台めのディスプレイとしてセットアップできるようになります。ケーブルは一切必要ありません。おまけに、ソフトウェア版のTouch Barもついてきます。でも、それまで待ってられないんだよ~とか、Windowsなんだよなぁ~という場合でも大丈夫。他にもいろいろな手段があります。
いちばんはおそらく、Air Display(10ドル、約1070円)でしょう。このアプリは、iPadだけではなく、Androidタブレットでも使えます。また、USBを使って有線接続することもできますし、もちろん、無線モードもあります。ただし、対応OSはmacOSだけですが。もう1つ、Luna Displayも安定した性能を発揮します。値段は7490円とお高めで、使用にはドングルも必要ですが、魔法のような使い心地です(ケーブルは必要ありません)。しかし、残念ながら、Luna DisplayもMac専用です。
WindowsデバイスにiPadを接続して、2台めのディスプレイとして使いたいというならば、Duet(10ドル、約1070円)のWindows版を試してみては?無線モードはないので、ケーブルを使って、コンピューターに直接つなぐ必要がありますが、これも裏返せば、安定した接続が保証されるということです。macOS版もあります。