ニコンの新フラッグシップの開発がアナウンスされたのは、2021年3月だった。10月にはティザー動画が公開、そして12月24日に発売された。市場想定価格はボディのみで62万8,650円となっており、競合他社フラッグシップよりもかなり安い事になる。いや60万円超えのカメラは十分高いのだが、これ以上うえがないフラッグシップとしては、破格である。
そんなこともあってか、Map Cameraの12月ランキングでは堂々の2位。ほぼ予約だけでここまで行ったという事であろう。ただ、予約殺到と半導体不足等により、すでに1年待ちという話も聞かれるところだ。12回払いで買ってもモノが届く前に払い終わる可能性もあるわけである。在庫があるショップではなんと80万円以上というプレミア価格となっており、まさにZ 9狂想曲の様相を呈している。
これまでニコンは、キヤノンやソニーに比べると、あまり動画撮影で言及されることが少なかった。流れが変わったのは、フルサイズミラーレス「Z6」の登場あたりからだろう。そんな中でZ 9は、開発発表時に「静止画・動画ともに過去最高の性能を発揮することを目指す」と名言されていたとおり、動画性能としては8K/30p記録に対応するなど、フラッグシップらしい仕上がりとなっている。
静止画のレビューは数多く出ているところだが、動画性能をレビューしたものはまだ少ないようだ。発売から1カ月経過してしまったが、早速その実力を試してみよう。