費用対効果を考えて慎重に検討したいアパートのリフォーム。効果的な方法とは?
古くなったアパートはリフォームをすると一定の収益改善効果が見込めます。ただし、古いアパートは1室あたりの家賃も低いため、投資回収を考えると大胆なリフォームに踏み込めないのも事実です。アパートのリフォームは失敗も多いため、費用対効果を考慮し慎重に検討すべきといえます。この記事では「アパートのリフォーム」について解説します。
アパートをリフォームするメリットとしては、「一定の空室対策効果が見込める」という点です。建て替えをするよりはコストを大きく節約できる点もメリットといえます。借主のニーズは時代によって変化するため、今のニーズを捉えた適切なリフォームを行えば入居率を改善させることができます。
※フリーレント:入居当初数か月の賃料を免除すること
アパートをリフォームするデメリットとしては、「空室対策効果が得られないリスクもある」という点です。空室対策リフォームは必ずしも成功するわけではなく、全く効果が得られなかったという失敗はよくあります。空室はリフォームだけでは改善されないことも多く、他の対策も併せて行わないと効果が出ないことの方が多いです。リフォームと同時に併せて検討したい空室対策としては、例えば以下のようなものがあります。【リフォームと併せて検討したい空室対策】空室対策にはコストをかけずにできるものもありますので、リフォームする前にまずは費用のかからない対策から着手することをおすすめします。
リフォーム費用の相場
アパートの主なリフォーム費用について、1戸あたりの相場を紹介します。
この章では効果的なリフォームについて解説します。4-1.家具収納を阻害する壁等を撤去する効果を上げるリフォームで検討したいのは、家具収納を阻害する壁や扉を撤去するといった工事です。例えば、キッチンが狭すぎて食器棚が置けず、入居のボトルネックとなっている物件がよくあります。このような物件は、ボトルネックとなっている壁や扉を取り壊すと、入居者が決まりやすくなることが多いです。入居者が決まりにくい部屋は、管理会社に決まりにくい理由を聞いてからリフォームを行うと的確に効果が得られます。ちょっとした工事で改善することも多いので、リフォームは管理会社の意見を聞いたうえで行うようにしましょう。4-2.和室を洋室にする和室を洋室にする工事は比較的空室対策効果の高いリフォームです。和室は重い家具が置きにくい等の理由から、入居者が決まりにくい原因となっています。ボトルネックは床の畳部分ですので、まず畳をシートフローリングに変更します。壁にクロスを張った後は、入口や襖の引き戸はそのまま利用してシートで洋風にアレンジし、欄間や天井もペンキだけ塗ってそのまま残すといった方法もあります。和室を洋室にするリフォームは工夫次第でコストを抑えることができますので、割り切ったリフォーム方法を検討することもポイントです。4-3.「3点ユニットバス」を交換するバスとトイレ、洗面が一体となった3点ユニットバスも入居者を決めるにあたり、ボトルネックとなっていることが多いです。もし予算の余裕があれば3点ユニットバスを交換して分離型にすることをおすすめします。分離型のユニットバスは、スペースの都合上、実現できないこともあります。フルリフォームしないと分離型にできない場合もあり、費用対効果に見合わないことも多いです。3点ユニットバスの交換は物件によって金額が大きく異なるため、リフォーム会社に見積もりを取ったうえで最終的に判断するようにしましょう。4-4.キッチンを交換するキッチンを交換することも比較的効果のあるリフォームです。キッチンは住宅の「見せ場」でもあることから、デザイン性の高いものを導入すると物件の印象が向上します。ファミリータイプの物件であればガスコンロが3穴の物件は少ないため、3穴にすると希少性が高まり入居者も決まりやすくなります。4-5.鍵をディンプルキーに変える玄関扉の鍵をディンプルキーに変えることも比較的効果のあるリフォームです。ディンプルキーとは、穴がポツポツ空いている板状の鍵で、ピッキングがされにくいとされています。アパートはマンションに比べるとセキュリティが弱いため、玄関扉を「ディンプルキーのダブルロックタイプ」にすると入居希望者の印象がよくなります。ダブルロックタイプとは、鍵穴が上下に2つあるタイプの扉のことです。4-6.カラーモニター付きインターフォンを設置するカラーモニター付きインターフォンを設置することも効果があります。カラーモニター付きインターフォンもアパートのセキュリティの弱さを補う効果があるリフォームです。アパートは、オートロック付きのマンションとは異なり直接扉の前に不審者が来てしまいます。そのため、カラーモニター付きインターフォンの有無は、入居希望者の心象を改善することができます。4-7.門扉に簡易なオートロックを設置する門扉に簡易なオートロックを設置することもアパートで見られる効果的なリフォームです。アパートはマンションのように集合玄関がないため、オートロックを設置できる部分がありません。そこで、アパートでは門扉をオートロック化することでオートロック付き物件にするというリフォームがよく行われます。門扉をオートロックにすればアパートでもオートロック付き物件として募集することができ、一定の空室対策効果が生じます。
次ページは:5.アパートのリフォームで利用できる補助金最終更新:相続会議